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学級新聞_102号

奈良を旅する平城宮跡日本を探す旅神話藤原不比等

学級新聞_102号

【第102号 2026/10/27発行】
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[1] はばたけ ルリセンチ No. 100
[2] 奈良町御師(おし)コラム
[3] お知らせ

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[1] はばたけルリセンチ No. 100

[2]奈良町御師(おし)コラム

日本人は、日本を探しに出かけ始めた(後編)

 

ゆういち
この前の続きやけど、不比等が残した「仕組み」って何なん?

 

おばあちゃん
人がおらんようになっても、残り続けるものがあるいうことやね。

 

ゆういち
残り続けるもの?

 

おばあちゃん
人と人、家と家、神話と政治、都と地方を結ぶ、目には見えへん骨組みみたいなものや。

 

ゆういち
法隆寺の木組みみたい。

 

おばあちゃん
そうやね。一本の木だけ見ても、建物全体がなんで立っているのかは分からへんやろ。歴史も同じなんよ。

 

ゆういち
不比等は、外国のものも使ったの?

 

おばあちゃん
使ったんよ。大陸から伝わった法律や仏教、都のつくり方を大胆に取り入れた。でも、そのまま真似したんやない。日本の神話や天皇の仕組みと結び直して、日本のかたちに作り替えたんや。

 

ゆういち
外国のものを入れても、日本じゃなくならなかったんだ。

 

おばあちゃん
そこが大切なんよ。外の文明を受け入れながら、自分たちの芯を失わない。その方法を、奈良の人たちは千三百年前に考えていたのかもしれへんね。

 

ゆういち
おばあちゃんは、どうしてそんなことを考えるようになったの?

 

おばあちゃん
若いころに、梅棹忠夫先生や米山俊直先生から、日本という国を外から眺めて、文化の奥にある仕組みを考えることを学んだからやね。

 

ゆういち
今も、その勉強をしているの?

 

おばあちゃん
ええ。日本はこれからも、AIをはじめ、外から生まれた新しい文明を受け入れていくやろう。そのとき、自分を見失わずにいられるのか。おばあちゃんが若いころにもらった問いは、まだ終わってへんのよ。

 

ゆういち
その答えが、奈良にあるの?

 

おばあちゃん
答えそのものというより、答えを考えるための「型」が眠っているんやと思うわ。神話を編み、外国の制度を取り入れて、日本という国のかたちをつくった奈良にな。

 

ゆういち
じゃあ、奈良を旅するのは、昔のお寺を見るだけじゃないんだ。

 

おばあちゃん
そうや。自分たちは何者なんやろう、これから何を受け入れて、何を残していくんやろう。そんなことを考える旅なんよ。

 

ゆういち
それが、日本を探す旅?

 

おばあちゃん
ええ。遠くへ行かんでも、私たちはまだ、日本のことを十分に知らへんのかもしれへんね。

 

ゆういち
ぼくも探してみたい。

 

おばあちゃん
ほな次は、神話が国家の歴史として書かれた時代の都、平城宮跡へ行ってみようか。

 

ゆういち
そこに、不比等のつくった仕組みがあるの?

 

おばあちゃん
目には見えへんけれど、今も奈良の地面の下と、私たちの社会の中に残っとるんやろうね。次は、それを一緒に探してみよう。

 

ゆういち
うん。奈良を歩いたら、日本が見えてくる気がしてきた。

 

[3] お知らせ

 

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コラム執筆者

川井徳子

株式会社学びの旅 代表取締役。同社の前身である奈良新しい学び旅推進協議会の立ち上げに尽力し、2020年~2025年まで実行委員長を務める。奈良を舞台にした探究型学習プログラム「奈良SDGs学び旅」を企画・開発し、商品化。教育と地域をつなぐ新しい学びの仕組みを創出した。