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学級新聞詳細

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NEWS PAPER DETAIL

学級新聞_34号

学級新聞_34号

第34号 2024/1/16 発行
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[1] 奈良SDGs学び旅 問合せ報告/実施報告
[2] はばたけ ルリセンチ No. 34
[3] 実行委員長コラム
[4] 『鹿との奈良めぐり』自然と歴史の調和ツアー モニターツアーが開催
[5] 奈良SDGs学び旅 無料体験会/「ESD実践講座:ESDカリキュラムマネジメント」
[6] 第1回 奈良SDGs学び旅・体験発表会 プレゼンスタジアム
[7] お知らせ
[1]奈良SDGs学び旅 問合せ報告/実施報告

問合せ報告

実施日 地域 区分 人数
2024/6/2 東京都 中学校 40
2024/10/31 東京都 中学校 22
2024/12/12 広島県 中学校 24

実施報告

実施日 地域 区分 内容 人数
2024/1/12 奈良 高校 SDGs講義 55
2024/1/13 奈良 高校 フィールドワーク 51

 

[2] はばたけ ルリセンチ No. 34

 

 

[3]実行委員長コラム

昨年後半、イスラエルとガザ地区の戦争が世界に報道されました。
それはロシアによるウクライナ侵攻と並ぶ問題となりました。
それをうけて過去5回にわたり、SDGs目標16「平和と公正をすべての人に」について考えてきたことを簡単にまとめました。

 

■第一回

米国の元国務長官でノーベル平和賞を受賞したH・キッシンジャー氏の平和論についてお話ししました。 (キッシンジャー氏はこの短い期間に亡くなられたので遺言となりました。)

H・キッシンジャー氏が主張したのは、米国には核危機につながる第三次世界大戦を防ぎ、安定した世界秩序を築くために明確な方針があることです。それは危機管理の原則と道義的責任です。紛争の拡大に対して数多くの国民の犠牲を払わなくて済むよう危機を回避することです。

ある意味のリスクマネジメントです。

孫子も「百戦百勝は善の善なる者に非ざるなり。戦わずして人の兵を屈するは、善の善なる者なり」(『孫子』)と語っており、戦争のために戦争を語るのではなく、戦争を回避するための原則をもつことが大切というお話をしました。

 

■第二回

ここではキッシンジャー氏の平和論を中国とのやり取りの中で考えました。

米ソの冷戦構造を変えるため、『孫子』にある

上兵は謀を伐つ。其の次ぎは交を伐つ。

という考えを引用しました。
これは、「軍事力の最高の運用法は、敵の策謀を未然に打ち破ることである。次は敵国と友好国との同盟関係を断ち切ることである。」ということを教えています。

これを踏まえて、アメリカはソビエトと紛争状態にあった中国と国交を回復し、ソビエト・中国の関係にくさびを打つことを通じて、ソビエトを崩壊に導くことに成功し、核戦争の危機を乗り越えたのです。同時に、プーチンが率いる現在のロシアには「戦わずして人の兵を屈するは、善の善なる者なり」という精神が全くないということをお伝えしました。

イスラエルにもパレスチナ・ガザ地区を実効支配するハマスにも、この考え方は存在しません。戦いに勝つために国家や集団がある、という意識が強いのです。

 

■第三回

ここでは江戸時代の270年間の平和について考えてみました。

江戸時代の日本は数多くの藩に分裂していました。300年近い間、幕府に対して反旗を翻すものがいないだけでなく、隣り合う藩が小競り合いを起こすこともありませんでした。本当に平和が確立した時代でした。

その理由の一つとして奈良にゆかりのある柳生宗矩著『兵法家伝書』(岩波文庫、1985年)を探ってみました。活人剣の章には、「兵は不祥の器なり」として、武士(武力)とは縁起の悪い存在だ、と述べています。

 

「孫子」ではなく「老子」を重んじて、人を殺すことを楽しむようなひとは、「上に立てるもの」ではないので「天下を維持できない」としたのでした。

ただし、徳川幕府は武士(兵)の政権です。そのため、次のように説明しています。

天道之を悪む。止むことを獲ずして之を用ゐる,是れ天道也

天は兵を使うことを嫌っている。仕方なく兵を使わなくてはならないときがある。それも天の道である。

これが徳川270年の治世の安全保障の原則といえるでしょう。

 

■第四回

ここでは明治維新へとつながる大政奉還がなされた中で、江戸城の「無血開城」がなぜ行われたのか、また、その後の急激な新政府樹立と政治組織の大改革がなぜ可能だったのか、ということを考えてみました。明治から150年を過ぎた時代に生きる私たちにはわからない暗黙知が存在していたのでないか、と説明しました。

おせちや村の祭礼など地域でばらばらの文化と風習がある日本でしたが、明治の初めの国家統一のビジョンはあっという間に確立していきます。

それには幕府の公式の舞曲である式楽を能楽と定め、東大寺の修二会(お水取り)と同時期に興福寺の薪御能が開催されていたこと、その時期日本全国から諸大名に使える能楽師が集まって様々な演目を皆で舞い祈りをささげたことが、国家ビジョンを共有できた理由ではないかと記しました。

 

■第五回

前回のお話で、興福寺の薪御能・修二会の始まりは京都の祇園会と同じ千年前の東北の大津波の厄災を払うことであり、この年に一度の祭事を270回繰り返す中で、国家ビジョンの一つ「君が代」が共有されたのではないかと説明しました。

同時に、能楽の重要な書物『風姿花伝』の神儀編には、能楽(申楽)の由来は神と仏の歴史が大きく関係しており、中でも聖徳太子が重要であると書かれていることを説明しました。春日大社と興福寺の御神事の由来と共に、この書物は「天下泰平の御祈祷なり」という言葉で結ばれています。

 

■本編

『風姿花伝』まできて、ようやく「平和と公正」について日本の「和」の概念の大原則「和を以て貴しとなす」を提示した聖徳太子について語るときに至ったわけです。

しかもこの聖徳太子の思想を全国の大名(不詳の存在である兵)が能楽を通じて学んでいたのが、江戸時代の日本なのです。

聖徳太子(上宮王子)を題材にした能の演目もあります。『上宮王子』『守屋』『信貴山』などです。

どれも廃曲となっていますが、物語は神仏の教えを守る太子とは反対に仏教を排斥しようとする物部守屋との争いがテーマとなっています。

物語の舞台を四天王寺としていますが、その四天王寺には物部守屋の神社がまつられています。

聖徳太子の実在が疑われている中で、聖徳太子信仰が真実であるかどうかについてまで言及はしません。

 

中世以降、能楽だけでなく浄瑠璃や絵巻など様々なメディアを通じて聖徳太子の神話を人々が伝え、共有してきたことが重要なのです。

平和のシンボルとして。

ところで、上宮王子(聖徳太子)には跡継ぎの山背大兄王がいました。『日本書紀』の皇極記には、皇位継承争いの中での混乱に伴い非業の死を遂げた最期が記されています。

蘇我入鹿が100名の兵に、斑鳩宮の山

背大兄王を襲撃させて滅ぼすというものですが、部下がいったん斑鳩を引き払って京都まで逃げましょうと進言したとき、山背大兄王は次のように話しています。

如卿所噵、其勝必然。但吾情冀、十年不役百姓。以一身之故、豈煩勞萬民。又於後世、不欲民言由吾之故喪己父母。豈其戰勝之後、方言丈夫哉。夫損身固国、不亦丈夫者歟。(日本書紀・原文「巻第二十四:天豐財重日足姫天皇 皇極天皇」)

われ、兵を起して入鹿を伐つれば、その勝たんこと定し。しかあれど一つの身のゆえによりて、百姓を傷りそこなわんことを欲りせじ。このゆえにわが一つの身をば入鹿に賜わん。

まさに法隆寺の「捨身四虎図」に描かれた姿を体現して亡くなられたのでした。

 

平和のために身を挺する、それを讃えた祈りについて聖徳宗の本山、法隆寺前管長大野玄妙氏は「報復することを断ち切らないと平和は訪れず、憎しみは永遠に連鎖反応を起こします。われわれ人間には煩悩があり、憎しみの鎖をなかなか断ち切ることができない。お釈迦さまも恨みは恨みによって止むことはない、恨みをやめてこそ止む、という意味のことをおっしゃっています」と述べ、山背大兄王の姿勢に結びつけておられます。「菩薩の行の中で捨身が説かれています。不惜身命という言葉にあるとおり、人びとのため仏道修行のためには身命も惜しまない。」とも語っています。

 

私たちは現在、大きな危機の前に立っています。

だからこそ平和のために「先人がどのような努力をしたのか」を知り、そして「今何ができるだろう」と考えることが大切なのだと思います。

一度、身近な人と平和のための努力について語り合ってみてはいかがでしょうか。

あなたが語った一言で、また誰かが新しい考えを抱くかもしれません。

そして、世界に平和に向けた祈りが広がっていくかもしれません。

 

[4]『鹿との奈良めぐり』自然と歴史の調和ツアー モニターツアーが開催
観光庁補助事業の「インバウンドの地方誘客や消費拡大に向けた観光コンテンツ造成支援事業」における、英語圏の外国人を対象にしたモニターツアーが開催されます。留学生や関西在住の方々からお申込みがあり、17名の定員が埋まりました。中には、奈良市内でゲストハウスやカフェを経営されるなど、普段から海外の方と接する機会の多い業界人もいらっしゃいます。ツアー終了後に回収されたアンケーとは、分析され販売体制の構築に活用されます。

 

【開催日程】
①1/20(土)鹿×春日大社コース   集合:春日大社駐車場 時間:12:45~15:45
②1/23(火)鹿×春日山原始林コース 集合:春日大社駐車場 時間:12:45~15:45

 

【WEBサイト】
英語圏インバウンド向けツアーのモニターツアーが開催されます A monitor tour will be held for English-speaking inbound tourists.|奈良SDGs学び旅 まるごと世界遺産のまち 奈良で学ぼう (nara-manabitabi.com)

 

【プログラムで活用されるオンデマンド動画付きデジタルマップ】
Nara’s DEER MAP Nara SDGs Learning Tour|奈良SDGs学び旅 まるごと世界遺産のまち 奈良で学ぼう (nara-manabitabi.com)

 

[5]奈良SDGs学び旅 無料体験会/「ESD実践講座:ESDカリキュラムマネジメント」
奈良SDGs学び旅の無料体験会/「ESD実践講座:ESDカリキュラムマネジメント」が、奈良商工会議所で開催されます。
無料体験会では、実際に生徒たちが体験している、「SDGs講義」と「ガイド付きフィールドワーク」をセットで体験いただけます。この2つを担当するのは、奈良SDGs学び旅の開発の第一人者である、奈良教育大学ESD・SDGsセンター長:中澤静男教授です。
また、無料体験後は、奈良教育大学ESD・SDGsセンター長:中澤静男教授・加藤久雄特任教授による、学校現場における「ESD実践講座:ESDカリキュラムマネジメント」もございます。
全行程のご参加が難しければ、いずれかのみのご参加でも問題ございません。

 

【概要】
日  程:2024年1月26日(金)
時  間:13時~18時10分
会  場:奈良商工会議所
スケジュール:① 13:00~16:15
奈良SDGs学び旅無料体験会 SDGs講義+東大寺フィールドワーク
② 16:40~18:10
ESDカリキュラムマネジメント
申込期限:2024年1月19日(金)
講師:奈良教育大学ESD・センター長 中澤静男教授
奈良教育大学ESD・センター  加藤久雄特任教授

 

【無料体験会お申込み】★無料★お申込みフォーム 『奈良SDGs学び旅 無料体験会』 『ESD実践講座:ESDカリキュラムマネジメント』 (office.com)

 

【無料体験会の詳細】奈良SDGs学び旅 無料体験会/ESD実践セミナー 参加者募集中!!|奈良SDGs学び旅 まるごと世界遺産のまち 奈良で学ぼう (nara-manabitabi.com)

 

[6] 第1回 奈良SDGs学び旅・体験発表会 プレゼンスタジアム
これまでに奈良SDGs学び旅を体験してくださった学校様を対象に、学び旅の成果をオンラインで発表する「プレゼンスタジアム」を開催します。今回は第1回目となり、3校が参加予定です。中学校・高校と学年の垣根を超え、多くの人と共有・学び合う機会を創出する取組みです。

 

【概要】
日  程:2024年1月27日(土)
時  間:10時~12時
会  場:奈良商工会議所
コメンテーター:奈良教育大学ESD・センター長 中澤静男教授
奈良新しい学び旅推進協議会 会長 峯川郁朗氏
近畿地方ESD活動支援センター 小路 楓氏

【プレゼンスタジアムの詳細】第1回 奈良SDGs学び旅・体験発表会 プレゼンスタジアム|奈良SDGs学び旅 まるごと世界遺産のまち 奈良で学ぼう (nara-manabitabi.com)

 

[7]お知らせ
学び旅学級新聞の感想を募集しています!
実行委員長のコラムや学び旅事務局の活動について、皆様のお声をお聞かせください。
メッセージは、下記メールアドレスにて受け付けております。
皆様のご応募、お待ちしております。
【応募先】manabi-jimukyoku@kirsite.com

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協議会委員へ告知・共有希望の事柄がありましたら、原稿・写真と共に事務局までお知らせください。
無料で記事として掲載し、配信いたします。
配信時期についてもお問合せください。
【連絡先】manabi-jimukyoku@kirsite.com

 

配信:奈良新しい学び旅推進協議会・事務局(公益社団法人ソーシャル・サイエンス・ラボ内)
TEL:0742-20-7807 平日9:00~18:00(年末年始を除く)
住所:〒630-8305 奈良県奈良市東紀寺町2-10-1
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