学級新聞_30号ページ。まるごと世界遺産のまち 奈良で学ぼう 奈良SDGs学び旅

ふんころがし
pagetop
奈良SDGs学び旅って? 新着情報 動画紹介 お問い合わせ SDGsとは? コース紹介 教育旅行/企業研修 イベント申込 ログイン 会員登録 ENGLISH HOME
学級新聞詳細

学級新聞詳細


NEWS PAPER DETAIL

学級新聞_30号

学級新聞_30号


第30号 2023/11/14 発行
________________________________________
[1] 奈良SDGs学び旅 問合せ報告/実施報告
[2] はばたけ ルリセンチ No. 29
[3] 実行委員長コラム
[4] お知らせ

 

[1]奈良SDGs学び旅 問合せ報告/実施報告
問合せ報告

実施日 地域 区分 人数
2025 東京 中学校
2025/6/7 大阪府 中学校

(リピート校)

240

実施報告

実施日 地域 区分 内容 人数
10/27(金) 大阪府 中学校 フィールドワーク 55
11/1(水) 大阪府 中学校 オンライン講義 258
11/1(水) 東京都 中学校 オンライン講義 81
11/6(月) 東京都 中学校 フィールドワーク 81
11/8(水) 奈良県 中学校 フィールドワーク 200
11/8(水) 静岡県 高校 オンライン講義 39
11/10(金) 岐阜県 小学校 フィールドワーク 58
11/10(金) 大阪府 中学校 フィールドワーク 258
11/13(月) 神奈川県 高校 SDGs講義+フィールドワーク 39

 

[2] はばたけ ルリセンチ No. 29

[3]実行委員長コラム
二回にわたってウクライナ・ロシアの戦争やパレスチナの紛争状況を踏まえて戦争について考えてまいりました。
私たちは「平和主義」ということを憲法に明記しているから大丈夫という妙な安心感から脱却して、真剣に重く考え、行動しなくてはいけない時代に直面していると考えます。
戦略的に「平和」を構築する必要に迫られているのです。

そのためには、長期間の歴史を踏まえること、例えば、平和を第二次世界大戦後からだけでなく、例えば江戸時代の270年間の平和から考察することも重要ではないでしょうか。
江戸時代がいかに稀有な時代だったかを私たちは当たり前のように受け止めています。鎖国だったから、当たり前なのよ、海があるので守ってくれたのよ、と。
しかし、江戸時代の国内政治は、諸藩での分裂状態で行われていたのです。
幕府・中央政府に対して反旗を翻すものがいないだけでなく、隣り合う藩が小競り合いを起こすことも充分ありえました。しかし、それすら起こらなかった。本当に平和が確立した時代でした。

いかにしてこの体制は作り出されたのかを研究し語る必要があるのではないか、また、徳川家の施政は偶然なのか、戦略的に生み出されたものなのかも深く考察すべきだと感じます。
そこに奈良が深く関わっています。幕府大目付となった柳生家の存在です。
家康自身が、歴史に興味を持ち「武家政権の祖」である源頼朝を信奉するだけでなく、遺言として孫らに「歴史書」を形見分けしたことは有名なエピソードです。

家康は、柳生宗矩の父、石舟斎による「無刀どり」の実技をみて、その場で柳生新陰流に入門しました。そして石舟斎に江戸に来るように言います。
しかし、石舟斎は、自らは年老いているので、息子の宗矩が十分に修行を積んでいるとして推薦し、息子を江戸に向かわせました。この息子柳生宗矩が江戸幕府の家光らに残したのが『兵法家伝書』*¹です。
これこそ、奈良が誇るべき平和のための書物の一つなのではないでしょうか。

 

『兵法家伝書』の活人剣の章には、「兵は不祥の器なり」武士( 武力)とは縁起の悪い存在だ、と述べています。
この言葉は「孫子」ではなく「老子」の言葉です。
老子は、人を殺すことを楽しむようなひとは、「上に立てるもの」ではないので「天下を維持できない」と続けています。
一方、家伝書では「兵は不祥の器なり」の言葉を受けて
天道之を悪む。止むことを獲ずして之を用ゐる,是れ天道也
天は兵を使うことを嫌っている。仕方なく兵を使わなくてはならないときがある。それも天の道である。
と、しています。

*1 柳生宗矩『兵法家伝書』岩波文庫、1985年 p.117

それは、一人を倒すことによって世の中に平和をもたらすことができる場合です。
柳生の『兵法家伝書』では、剣とは、人を生かすためのものであり、人を殺す刀であってはいけないのだという思想なのです。

兵(武士)である徳川将軍に対して「兵は不祥の器」とは厳しい言葉です。
それをはっきりと自覚させた上で、
「自分の欲望のために人を殺すものではなく、悪(戦争・紛争状態)を止めるために、やむを得ずに兵を用いる場合がある。そのために武士の政権はあるのだ」と位置付けているのです。

豊臣秀吉は天下統一後、文禄・慶長の役で朝鮮半島に出陣します。
目標は明との交易を再開し、東アジアの利権を獲得することでした。
その結果、多くの大名たちが悩み、日本も朝鮮半島の農民も疲弊しました。

家康が柳生石舟斎を師事するのはこのころです。
家康が豊臣政権を倒し天下統一を目指した理由は、実はここにあったのかもしれません。

柳生家の『兵法家伝書』は既に英訳されています。
そのタイトルは、
The Life-Giving Sword: Secret Teachings from the House of the Shogun by Yagyu Munenori *²
日本語にすると「活人剣」です。
世界の人と270年の平和の期間について考察し研究する準備は整っているようです。
これを始めるとしたら、柳生のある奈良からではないでしょうか。

*2 柳生宗矩 (著) ウィリアム・スコット・ウィルソン (著) 『The Life‐giving Sword』講談社、2003年 p.191

 

[4]お知らせ
学び旅学級新聞の感想を募集しています!
実行委員長のコラムや学び旅事務局の活動について、皆様のお声をお聞かせください。
メッセージは、下記メールアドレスにて受け付けております。
皆様のご応募、お待ちしております。
【応募先】manabi-jimukyoku@kirsite.com

学び旅学級新聞へ掲載する記事募集中!
協議会委員へ告知・共有希望の事柄がありましたら、原稿・写真と共に事務局までお知らせください。
無料で記事として掲載し、配信いたします。
配信時期についてもお問合せください。
【連絡先】manabi-jimukyoku@kirsite.com

配信:奈良新しい学び旅推進協議会・事務局(公益社団法人ソーシャル・サイエンス・ラボ内)
TEL:0742-20-7807 平日9:00~18:00(年末年始を除く)
住所:〒630-8305 奈良県奈良市東紀寺町2-10-1
Web:https://nara-manabitabi.com/