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学級新聞詳細

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NEWS PAPER DETAIL

学級新聞_26号

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第26号 2023/9/19 発行
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[1] 奈良SDGs学び旅 問合せ報告/実施報告
[2] はばたけ ルリセンチ No. 25
[3] 実行委員長コラム
[4] 『日本の食の聖地巡礼 NARA』プロジェクト準備中
[5] お知らせ

 

[1]奈良SDGs学び旅 問合せ報告/実施報告
問合せ報告

実施日 地域 区分 人数
2024年1月 大阪府 大人 80
2024年9月9日 不明 不明 39
2025年4月21日 長野県 中学校 110

実施報告

実施日 地域 区分 内容 人数
なし        

 

[2] はばたけ ルリセンチ No. 25

[3]実行委員長コラム

宮宮大工と行く奈良の古寺
「宮大工と行く奈良の古寺」という棟梁小川三夫氏の手になる書物があります。
小川氏は、法隆寺の宮大工であった西岡常一氏の唯一の内弟子となり、修行後独立されました。この宮大工であり、日本の名工でもある小川さんが、奈良のお寺を紹介しています。
奈良県民だけでなく観光に携わる人にぜひ読んでほしい一冊です。

冒頭は法隆寺の大野玄妙管長(発刊当時)との対談となっています。
法隆寺という世界最古の木造建造物が、どうして存在可能だったのかを教えてくれます。
そのお話は1300年前から今まで存在し、そしてこれからも存続し続け(持続維持)、人々に感動(人間開発)を与え続けることで、持続維持可能な社会のための道しるべとなるでしょう。
法隆寺とはSDGs(持続維持可能な開発)として過去から未来に伝えていくべき「生きた遺産」なのです。

残念なことに大野管長が2019年に鬼籍に入られたので、この素晴らしい対談の再現はできません。
しかし、ふたりの対談で始まるこの書籍は、珠玉の「ことのは」に溢れています。
小川棟梁が、自著の冒頭にこの対談を掲載されたのも、心に残るお話しだったからでしょう。

第一回目は、大野管長のことばに沿って、進めたいと思います。

大野玄妙氏は聖徳宗第六代管主・法隆寺第129世住職で、3歳から法隆寺に住み、小学3年生で得度されました。
1993年、法隆寺が世界遺産に登録された年に執事長に、1999年に管長に就任されました。
まさに法隆寺のために一生を捧げてこられた方です。

「篤く三宝を敬え。三宝とは仏と法と僧なり」(十七条憲法の第二)
「仏教が広まってインドでアショーカ王が多くの仏塔を建てますと、修行者ですとか仏教の信奉者が集まります。
仏塔の周辺にいろいろ附属の建物ができてお寺のかたちになってきたのです。(中略)
ですから三宝興隆ということは、お寺を建てて世の中を栄えさせるということでもあります。」
このような語り口で大野管長は仏教の働きを哲学や宗教といったことだけでなく、経済成長を促す地域の拠点としての働きを、聖徳太子の憲法に沿ってしっかりと説明されておられます。

「寺社を建てるときに大事なことは四神相応の地を選べ」
「北に小高い山があって、東側に清流が流れ、南が開けていて、西には大きな道がある。
道はここの場合ですと大阪の浪速に通じる龍田道でしょう。おそらくは大和川沿いにあったと思います。
(中略)ここを選ばれた聖徳太子様は、大変熱心に外国の文化を学ぼうという気持ちをお持ちでしたね。外国との行き来をするときに便利な地ということもあったと思うのです。
(中略)やはり平和を発信する人々を養成し、そういう人たちを世に送り出していくことが課せられていた任務だったろうと思うんですね。」
このように、伽藍の場所を決める時から、聖徳太子には「和を以って貴しと爲す」ことを希求されていたのだろうと思われます。
大陸との交流を前提として、この場所を定められたと語られています。

法隆寺の伽藍「中門の仁王様は仏国土を守っている」
「いろんな伽藍配置をしたお寺がございますけれども、基本的に南大門から真っ直ぐ一直線に通って門がありますね。
これを私たちは仏門というんですね。そこは仏様の入る門であり、仏様の道なんです。(中略)行った先に仁王像が立っている中門があるんですね。
(仁王様は)われわれを守っているのではなくて、仏国土を守っているのです。
なぜ回廊があるのかということと、関係していると思います。金堂の前、五重塔の前、夢殿の前にも礼拝石というのがあります。これは法要するときの前机なのです。ですから、お堂の中には入らないのです。たぶん入れるのは大工さんだけです。」

このような解説を通じて、私たちは伽藍の聖配置というものを学びます。
中門から奥は僧侶も踏み込めない聖なる仏国土であり、仁王様はそれを守っているのだと。
同時に宮大工の中にある秘めた力というものに敬意を評しておられます。

伽藍で感じ取れるもの
「(法隆寺で見てほしいところは?) まず南大門をくぐっていただいたときの印象ですね。せっかく来ていただいたわけですから、何か違う世界を感じていただきたいのです。仏様の知恵の光というものがいつでも人々に対して発揮されている、私たちはそれを和光同塵といいますが、そういう光を見つけてほしいのです。光を探し、光を求め、そのために巡礼をし、旅をするものですから、私たちはその光を少しでも見つかりやすいような場所を、提供することに努力しなければなりません。
ここの空気、雰囲気を感じて、違う自分の世界を見つけてほしいと思います。その中から仏様の、あるいは菩薩の光を感じる、そういう旅をしていただきたい。これを真の『観光』と私たちは言っています。」

和光同塵とは、仏教用語であり、意味は「仏・菩薩が本来の力を隠して、ちりに汚れたこの世に仮の身を現し、衆生を救うこと」ということです。
日本最初の世界遺産登録をうけた法隆寺。
それは、死んだ遺産ではありません。
海外の世界遺産と全く異なり、今もそこには仏教が生きています。
大野管長は聖徳宗の管主でもおられるのです。

その年に執事長となられた大野管長は法灯を守りつつ、仏教を知らない、学ばない人々に広く門戸を開けてこられました。
世界遺産登録の結果、観光も意識せざるを得ない時代の変化を感じておられました。この大野管長の真の「観光」という言葉はとても大きな意味を持つと思います。世界中のどの世界遺産とも、異なる道を生きていかねばならない役割に、戸惑われたことも多かったのではないかと推察します。
だからこそ、真の観光のことばが大きな意味を私たちに与えてくれるのだろうと思います。

さて、これらのご発言は純粋なお気持ちでお話を伺われた小川棟梁の存在があってこそのことです。
良き聞き手がいてこそ、この名言が生れ出たと思います。

次回は、その小川棟梁の手にあるSDGsな奈良の旅について、読み進めてみたいと思います。

[4] 『日本の食の聖地巡礼 NARA』プロジェクト準備中


日本が誇る食文化・和食。そのルーツが奈良にあります。
和食は美味しく健康的であるだけでなく、五感を通じて季節の移ろいといった自然を感じられる我が国が誇る食の文化です。
日本の食のルーツを知り、文化を体験できるガストロノミーツーリズムが「日本の食の聖地巡礼・NARA」です。
世界中の方に、奈良に息づく和食のルーツに触れていただき、そして世界中の方と和食の奥深さを共有できるような多彩なツアープログラムを現在準備中です。
参画施設は、菩提山正暦寺、奈良ホテル、ホテル日航奈良、ホテルアジール奈良など…お楽しみに!

 

[5]お知らせ
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