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NEWS PAPER DETAIL

学級新聞_89号

ネイチャーポジティブ奈良公園宇宙ゴミ鹿

学級新聞_89号

【第89号 2026/3/17 発行】
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[1] はばたけ ルリセンチ No. 88
[2] 奈良町御師(おし)コラム
[3] SDGsガイド勉強会 開催報告
[4] お知らせ

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[1] はばたけルリセンチ No. 88

[2]奈良町御師(おし)コラム

 

宇宙という社会の「囿」
――
ゆういちとおばあちゃんの会話

 

ゆういち
なあ、おばあちゃん。
奈良公園って、なんで鹿がおっても成り立ってるんやろ。
この前、先生が「世界ではめずらしい」って言ってた。

 

おばあちゃん
ほう、ええところに気づいたな。
それはな、奈良公園が「鹿を守ってる場所」やからやない。
鹿と人が一緒に生きる場所として、

ずっと考えられてきた場所やからや。

 

ゆういち
守ってる場所やないん?

 

おばあちゃん
もちろん守ってはいる。

けどな、「柵で囲って触らせへん」守り方とはちがう。
鹿は野生のままや。
危ないこともあるし、トラブルも起きる。

 

ゆういち
観光客の人がけがしたという話も聞いた。

 

おばあちゃん
そうやろ。
せやけどな、だからって鹿を追い出すわけでも、人が入られへんようにするわけでもない。
ここで大事なんは、「ここまではええけど、ここからはあかん」
その線をみんなで共有してることや。

 

ゆういち
線?

 

おばあちゃん
昔の言葉でいうと「囿(えん)」やな。
全部自由でもない、全部管理でもない。
越えたらあかん境界を、地域の中で抱えているという考え方や。

 

ゆういち
……鹿せんべい以外あげたらあかん、とか?

 

おばあちゃん
そうそう。
角きりもそうやし、春日山原始林から木も草も持ち出しでけへん、というのがそうや。
人が自然を使いすぎへんための「ブレーキ」やな。
あの森はな、「神様の森やから人間が勝手に使こたらあかん」「踏みとどまる場所が必要や。自然から教えられることがたくさんある」ということを、1300年以上守ってきた「自然を守るための聖地」なんや。

 

ゆういち
……それってさ。
この前習った「ネイチャーポジティブ」みたいやな。

おばあちゃん
お、難しい言葉知っとるな。
自然を減らさんだけやなくて、元気に戻していく考え方やな。

 

ゆういち
先生が言ってた。
でも、ぼく思ってん。
自然だけの話ちゃう気がするって。

 

おばあちゃん
ほう。

 

ゆういち
海とか川とかも汚くなったら大変や。道路も一斉に皆が走ったら大渋滞や。病院でくれるシップとか、みんなが使ってるけど、使いすぎたら壊れそうなもんが多いやろ。
AI
とかもおんなじや。

 

おばあちゃん
……ええとこ突くなあ。
実はな、いま宇宙も、奈良公園と似た状況になっとる。

 

ゆういち
宇宙が?

 

おばあちゃん
人工衛星が増えすぎて、
壊れた部品が宇宙に浮かんだままになっとる。
それがまた別の衛星にぶつかる。
便利やけど、使いすぎると、
誰も使えん場所になってしまう。

 

ゆういち
鹿がおりすぎて、ケンカ増えるとか糞だらけみたいな?
じゃあさ、宇宙にもゴミの掃除屋さんが要るってこと?

 

おばあちゃん
その通りや。
全部禁止するんやなくて、みんなで使い続けるためにルールが必要なんや。
「ここから先はやりすぎ」。
宇宙船を飛ばした人が回収する、過去に飛ばした人に負担を請求するとか。
その線を、みんなで決めて、守り続ける。
奈良ではそれを、鹿と一緒に、失敗しながら、1400年やってきた。

 

ゆういち
……奈良って、未来の練習場みたいやな。

 

おばあちゃん
わたしもそう思う。
鹿と歩くこの道は、
AI
の時代や、宇宙の時代に、
「どこで立ち止まるか」を考える道でもある。

 

ゆういち
じゃあさ。
奈良公園を歩くって、社会の勉強でもあるんやな。

 

おばあちゃん
ああ。
教科書より、よう教えてくれることもある。
あの鹿はな、「もっと使え」「もっと広げろ」って言わへん。
ただ、境界を越えたら、ちゃんと問題が起きることを、体で教えてくれる。

 

ゆういち
……ぼく、
この町に住んでてよかったかもしれん。

 

おばあちゃん
それが分かったら、もう十分や。
次はな、その考えを、外の世界にどう伝えるかやな。

 

 

[3] SDGsガイド勉強会 開催報告

 

219日、「SDGsガイド勉強会」を開催し、35名のガイドの皆様にご参加いただきました。
当日は、奈良教育大学・中澤静男先生によるSDGs講義の受講後、参加者同士の意見交換の時間も設けました。ご参加いただいた皆様、誠にありがとうございました。
なお、皆様からお寄せいただいたアンケートの結果の一部を以下にご紹介いたします。

 

SDGsガイドに対する疑問は解消されましたか?】

 

【どんな疑問が解消できませんでしたか?】

・来訪者に上手く伝える方法は?が課題です。

・春日山原始林の持続性に関することをガイドするに当たりどんな言葉を投げ掛けるのが良いのか考えたいと思います。

・これから実践していく中で、いろいろと出てくる疑問を解決していきたいので、また勉強を続けさせていただきます。

 

ご参加いただいた皆様からのご意見を参考に、今後もガイドの皆様にとってより有意義な学びの場となるよう、勉強会を企画してまいります。

お気づきの点などございましたら、ぜひお聞かせください。

 

 

[4] お知らせ

●学び旅学級新聞の感想を募集しています!
コラムや当社の活動について、皆様のお声をお聞かせください。
メッセージは、下記メールアドレスにて受け付けております。
皆様のご応募、お待ちしております。
【応募先】manabi-jimukyoku@kirsite.com

 

●学び旅学級新聞へ掲載する記事募集中!
原稿・写真と共にメールにてお知らせください。無料で記事として掲載し、配信いたします。
配信時期についてもお問合せください。
【連絡先】manabi-jimukyoku@kirsite.com

 

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配信:株式会社学びの旅
TEL:0742-20-7807 平日9:00~18:00(年末年始を除く)
住所:〒630-8305 奈良県奈良市東紀寺町2-10-1
Web:http://nara-manabitabi.com/

 

コラム執筆者

川井徳子

株式会社学びの旅 代表取締役。同社の前身である奈良新しい学び旅推進協議会の立ち上げに尽力し、2020年~2025年まで実行委員長を務める。奈良を舞台にした探究型学習プログラム「奈良SDGs学び旅」を企画・開発し、商品化。教育と地域をつなぐ新しい学びの仕組みを創出した。