【第56号 2024/11/19 発行】
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[1] 奈良SDGs学び旅 問合せ報告/実施報告
[2] はばたけ ルリセンチ No. 55(特別編 作:奈良女子高校)
[3] 実行委員長コラム
[4] お知らせ
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[1]奈良SDGs学び旅 問合せ報告/実施報告
●問合せ報告
・2026/3/10 東京都 中学校 271
●実施報告
・2024/11/05 神奈川県 高校 講義+ならまち・原始林F/W 40人
・2024/11/05 東京都 高校 東大寺コースF/W 19人
・2024/11/08 岐阜県 小学校 オンライン講義 52人
・2024/11/18 滋賀県 小学校 オンライン講義 104人
[2] はばたけ ルリセンチ No.特別編(55)
[3]実行委員長コラム
前回、世界最高の国ランキングの2位の日本についてお話ししました。
「スイスを抜いて世界最高の国の地位を手に入れるのは困難ではないかもしれませんね。」などと大胆なことを書きましたが、実は3位は米国なのです。株価は100倍、平均年収も米国が約1000万で日本の2倍以上です。ITの開発力も進んでいるし、何よりも強力な軍事力を持っています。
【10の固有性とそれにおける日本とアメリカの順位】
①冒険を楽しめる国 日本/27位 アメリカ/38位
②機敏さ、敏捷性がある 日本/8位 アメリカ/1位
③文化的影響度が高い 日本/5位 アメリカ/3位
④起業家精神がある 日本/3位 アメリカ/2位
⑤豊かな文化遺産がある 日本/11位 アメリカ/19位
⑥原動力がある 日本/8位 アメリカ/20位
⑦ビジネスの開放度 日本/35位 アメリカ/52位
⑧力(ハードパワー)がある 日本/8位 アメリカ/1位
⑨生活の質が高い 日本/14位 アメリカ/22位
⑩社会的意義を大切にする 日本/24位 アメリカ/20位
米国の位置について、ビジネス・インサイダーという米国発のメディアは、以下のような評価をしています。
「アメリカは2023年の総合5位から、今年は3位になり、9年前にこのランキングが始まって以来、最高の順位となった。「敏捷性」「力」のカテゴリーでは1位、「起業家精神」では2位になった。「文化的影響力」ではイタリア、フランスに次いで3位となった。
サブランキングでは「最も影響力のある国」「最高の教育が受けられる国」で1位となった。
しかし、「生活の質」「冒険的要素」「ビジネスの開放性」のカテゴリーでは20位以内に入らなかった。サブランキング「快適な老後を送るのに最適な国」でも20位以内に入らず、多くのアメリカ人が安価で快適なリタイア後の生活を求めて、海外に移住していることを反映している。」
参照 BUSINESS INSIDER:https://www.businessinsider.jp/post-293368
お金があっても、生活の質が低く、どうやら住みにくい国と米国人自身が考えているようです。
米国が、銃による犯罪多発社会ということもあるかもしれません。
先日、大統領選挙が終わり、トランプ氏が再び選ばれました。
まもなく共和党政権に変更になりますが、副大統領には、40歳のヴァンスという人物が選ばれています。彼は「ラストベルト(錆びた工業地帯)」と呼ばれる米国の最も貧困地域出身です。
2016年に32歳で「ヒルビリー・エナジー」という回顧録を執筆してベストセラーとなっています。32歳なのに自叙伝って早くない?と思いますよね。
母親は麻薬の依存症に陥っており、子供時代には児童虐待を何度も経験しています。苦労が多い中、祖母による生活支援で高校までなんとか卒業し、姉の助言などで米国海軍に入ります。
そこでの厳しい訓練を耐え抜き、奨学金の受給資格を獲得、大学に進学します。
大学卒業時に優秀な成績であったおかげで、イェール大学のロースクール大学院に進み、特別な資格を手に入れました。
貧困層からいきなり、米国のエリート層へとアメリカン・ドリームを実現したのでした。
我々は、テレビや映画で米国の表面的な豊かさだけを見ています。
この自叙伝では、米国貧困層の悲惨な状況とそこから抜け出せない過酷さが、リアルに描かれています。貧富の激しさと、一度落ちてしまうとなかなか抜け出せない環境などについて、改めて深く考えさせられました。
ラストベルトは、もともとは米国の産業を支えた豊かな地域でした。ヴァンスの祖父母も高校を出ていませんが、大手企業に就職できたため、生活はそれなりに豊かだった様子が描かれています。
やがて、地域の大手企業が不況に陥ったことで、全体に貧困が進んでいきます。
日本もバブル崩壊以降厳しい時期もあったけれど、人口流出やコミュニティ崩壊などが起きた地域の惨状は、ここまでには陥ってはいません。
この差が、一人当たりGDPでは測れない生活の質としての2位の日本と3位の米国として現れているのかもしれません。
いろいろと考えさせられることの多い本でした。
この本の舞台「ラストベルト地域」の考察はまさに、持続可能な開発(SDGs)のための重要な手がかりです。豊かな国や地域も、政策を間違えば貧しくなり崩壊します。
次期副大統領ヴァンス氏によって、ラストベルトの人々に光が当たると思います。
米国のこの地域がどのように変わっていくのでしょうか。
米国版の地方創生として何か手立てが行われるかもしれません。
しっかりと見守っていきたいですね。
[4]お知らせ
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