【第55号 2024/11/05 発行】
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[1] 奈良SDGs学び旅 問合せ報告/実施報告
[2] はばたけルリセンチ No. 54(特別編 作:奈良女子高校)
[3] 実行委員長コラム
[4] お知らせ
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[1]奈良SDGs学び旅 問合せ報告/実施報告
●問合せ報告
・2026/12月 岐阜県 高校 70名
・2025/10/01 東京都 高校 135名
●実施報告
・2024/10/07 東京都 中学校 講義+3コースF/W 100名
・2024/10/08 福井県 小学校 オンラインSDGs講義 13名
・2024/10/17 福井県 小学校 東大寺コースF/W 13名
・2024/10/18 埼玉県 中学校 オンラインSDGs講義 81名
[2] はばたけルリセンチ No. 54(特別編 作:奈良女子高校)
[3]実行委員長コラム
今回は、米国のニュースサイト、ニュース&ワールドが米国のペンシルベニア大学ウォートン校のデビッド・ライブスタイン教授と共同で行っている研究の調査レポートである、「最高の国ランキング2024」のお話です。これは、近代国家の成功に関連する10の「固有の性質」=固有性に基づいて、世界中の約 17,000 人を対象に調査されました。このランキングによると、日本は2位と評価されました。
1位は、長らく日本人の憧れだったスイス。3位は米国です。
ランキング詳細:U.S. News
https://www.usnews.com/news/best-countries/rankings
この固有性も、さらに複数のサブ項目で判別されているという、精緻なモデルで作り出されています。この上位に位置する国は、とても安定しており国際貢献できている、と考えても良いのではないでしょうか。
これらの項目立て方がとても興味深いので、このランキングに基づき日本の国際評価について考えてみたいと思います。
では、日本の2位について詳しく見てみましょう
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10の固有性とそれにおける日本の順位
①冒険を楽しめる国 27位
②機敏さ、敏捷性がある 8位
③文化的影響度が高い 5位
④起業家精神がある 3位
⑤豊かな文化遺産がある 11位
⑥原動力がある 8位
⑦ビジネスの開放度 35位
⑧力(ハードパワー)がある 8位
⑨生活の質が高い 14位
⑩社会的意義を大切にする 24位
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トヨタやソニーといった世界有数のメーカーの存在や、カラオケといった新しい産業を産み出してきた点が評価され、『④起業家精神がある』の順位が高くなっています。そういう点でとても評価されたことは、ありがたいことです。
意外だったのは、軍事力と経済力を併せ持った『⑧力(ハードパワー)』のある国として、世界第8位の評価を得たことです。憲法9条で大騒ぎしている日本にいるとその国力が大きいとはとても感じないのですが、実は、今でも日本の経済力は世界第3位(購買力平価)の地位にいます。ここのランキングでは、「経済的に影響力がある」「輸出が好調」「強力な国際同盟」といった点がかなり高く評価されて、この地位にあります。
一方で、残念なことに『③文化的影響度が高い』『⑤豊かな文化遺産を持つ』と高く評価されているにも関わらず、『①冒険を楽しめる国』の評価が低いことです。
この固有性は、冒険に必要な6項目を100点満点で評価されました。ある意味、滞在を楽しむための6つの要素、と言ってもよいかもしれません。
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①フレンドリー 66.2
②楽しさ 48.0
③観光に最適 86.1
④快適な気候 20.6
⑤景色が美しい 63.7
⑥セクシー 5.3
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確かに、急に増えた外国人観光客に対してオーバーツーリズムを叫びだす日本、英語もあまり得意でないし、あまり友好的ではないかもしれません。
しかし、何といっても『⑥セクシー』の5点は低すぎます。なんてことでしょう!
ここでいう「セクシー」、は「性的アピール」という意味ではなく「魅力的」ということだろうと思います。その観点からすると、文化的影響力が高く、過去の遺産も豊富なでありながら、真の魅力を伝えきれていない、といえるかもしれません。
また、温帯に存在するにも関わらず「快適な気候」と評価されないのは、東京・京都といった都市観光にしか人々が足を運べていないから、かもしれません。それは、「景観が美しい」という項目がそれほど高くないことからもわかります。四方を海に囲まれ、森林面積が大きい日本。地方の景観は美しいところばかりです。富士山に大勢が押し寄せていますが、槍ヶ岳や白馬山、四国の石鎚山など、魅力的な美しい山はたくさんあります。奈良でも、春日山原始林を登った先や柳生街道では、大自然に触れることができます。
日本のインバウンド観光は始まったばかり。日本はまだまだ観光後進国です。
突然増えた観光客が東京・京都などに集中しすぎているオーバーツーリズムや、団体ではない個人旅行者の観光の在り方など、いくつも問題があるように思います。
今後は、これらの問題の解決を通じて、日本が「冒険を楽しめる国」となることは間違いないでしょう。
スイスを抜いて世界最高の国の地位を手に入れるのは、困難ではないかもしれませんね。
[4]お知らせ
●学び旅学級新聞の感想を募集しています!
実行委員長のコラムや学び旅事務局の活動について、皆様のお声をお聞かせください。
メッセージは、下記メールアドレスにて受け付けております。
皆様のご応募、お待ちしております。
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●学び旅学級新聞へ掲載する記事募集中!
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無料で記事として掲載し、配信いたします。
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【連絡先】manabi-jimukyoku@kirsite.com
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配信:奈良新しい学び旅推進協議会・事務局
(公益社団法人ソーシャル・サイエンス・ラボ内)
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