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学級新聞詳細

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NEWS PAPER DETAIL

学級新聞_53号

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【第53号 2024/10/08 発行】
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[1] 奈良SDGs学び旅 問合せ報告/実施報告
[2] はばたけ ルリセンチ No. 52
[3] 実行委員長コラム
[4] お知らせ

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[1]奈良SDGs学び旅 問合せ報告/実施報告
●問合せ報告
・2025/2月 愛知県 中学校 120名
・2025/10/02 島根県 中学校 52名

 

●実施報告
・2024/9/28 兵庫県 中学校 3コースF/W 175名
・2024/9/30 東京都 中学校 オンラインSDGs講義 136名
・2024/10/01 東京都 中学校 東大寺コースF/W 136名

 

 

[2] はばたけ ルリセンチ No.52
イメージ

 

 

[3]実行委員長コラム
先日、オーストラリアに行ってきました。短い滞在期間、しかもイベントに参加するという商用の旅行でしたが、それでもたくさんの学びがありました。

 

オーストラリアは、日本とは季節が反対ですが時差はほとんど無く、とても現代的かつ豊かな暮らしが存在しています。国土面積と比較して人口は少ないのですが、東南アジアを中心として移民がどんどん増え、いまも大きく成長している国です。

 

近年に入って刀狩(銃社会を廃止)をしたため、治安が良くとても快適な時間を過ごすことができました。

 

また、豊富な輸出資源を持ちつつ、英国米国の歴史と学問に立脚して近代的な国家経営と先進的なマクロ経済運営を行っています。国民だけでなく、移民として入ってきた人々も豊かさを享受できる国づくりを行っていて、人々の生活はゆとりにあふれています。

 

ライフスタイルで素敵な点は、個性豊かなカフェがたくさんあり、反対にそのせいで米国発スターバックスが一軒も見当たりません。オリジナルの生活を通じて豊かな時間を生み出しており、アイデンティティを守るというものを体感できたように思います。

 

ただ、コンビニなどはまだあまり広がっておらず、一店舗の商品品目数は日本の1/10といったところでしょうか。今後も、日本のサービス産業が市場拡大を求め、次々と進出してくるだろうと思います。

 

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参考 豪州の主要輸出品目
https://boueki.standage.co.jp/australia-export/#toc0
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ところで、日本とオーストラリアの最も違う点は「神話」かもしれません。オーストラリアにも神話は存在するものの、アボリジニたちのものです。
アボリジニの人口は、25万人とオーストラリアの人口のうち、100人に1人にすぎません。

 

アボリジニの神話は、後から入ってきた人々によって、文字起こしされたものです。原初の神話らしく、人と動物の差や、天と人間界の隔たりがなく、時間の流れも静止しています。

 

むしろ、アメリカ・インディアンなどの狩猟採集の文化を持つ人々の神話の特徴といえるかもしれません。狩猟採集文化特有の変化が起きない、歴史の存在がない集団の神話なのです。

 

これは、キリスト教世界の「アダムとイブ」「ノアの箱舟」といった物語神話とは、異なっています。
ですので、入植当時の人々はもちろんのこと、現代を生きるオーストラリア社会ではこの神話を受け入れている人は極めて少ないでしょう。

 

もちろん、日本の神話にも狩猟採集の民族の神話が残されています。
例えば海幸彦・山幸彦の物語です。日本神話の特徴は、この狩猟採集の神話に引き続いて、農耕民族の神話が記されており、神話が重層的に存在します。アマテラスとスサノオの争いごとなどは農耕神話の一例であり、これが「大祓祝詞」に受け継がれています。前々回にお話しした中臣祓のことです。

 

そして、神々の物語である「神代紀」のあとに実在の「天皇紀」が続いています。
天皇紀は、持統天皇が文武天皇に譲位したことで終わりますが、その後「続日本紀」へと繋がります。

 

日本では神話と歴史が統合されているのです。
文化人類学者であり神話学に造詣の深いレヴィ=ストロースが日本神話に注目した点は、こういうところにあります。
オーストラリアという新しい国と日本を比べてみることは、私たちの国の特徴を改めて学ぶこととなります。

 

オーストラリアでは神話はアボリジニだけのものですが、日本ではほとんどすべての人が共有しています。

 

日本のお正月では、海の幸・山の幸を盛り込んだおせちやお雑煮といったご馳走を用意し、神社に初詣に出かけます。新しく年神さまをお迎えする祭礼ですが、日本人として祝わない人は珍しいでしょう。
つまり、日本では神話世界が今も祭礼や行事を通じて文化に色濃く紐づいているのです。神話の存在は、国柄として共有する文化の体系を支える、重要な存在なのです。

 

オーストラリアでは、アボリジニの神話と伝説は大切にされますが、それは少数民族の保護の観点が基本にあります。
その文化政策を考えることは、ノンバーバル(無言語)な部分で価値の体系を背負っている日本文化の特殊性を学び直す、良いチャンスのように思います。

 

残念なことに、日本人でも、日本の独自性やその重要ポイントに気が付かない人がいます。

 

日本書紀・古事記のふるさと奈良の役割の大きさを改めて感じた次第でありました。

 

 

[4]お知らせ
●学び旅学級新聞の感想を募集しています!
実行委員長のコラムや学び旅事務局の活動について、皆様のお声をお聞かせください。
メッセージは、下記メールアドレスにて受け付けております。
皆様のご応募、お待ちしております。
【応募先】manabi-jimukyoku@kirsite.com

 

●学び旅学級新聞へ掲載する記事募集中!
協議会委員へ告知・共有希望の事柄がありましたら、原稿・写真と共に事務局までお知らせください。
無料で記事として掲載し、配信いたします。
配信時期についてもお問合せください。
【連絡先】manabi-jimukyoku@kirsite.com

 

 

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配信:奈良新しい学び旅推進協議会・事務局
(公益社団法人ソーシャル・サイエンス・ラボ内)
TEL:0742-20-7807 平日9:00~18:00(年末年始を除く)
住所:〒630-8305 奈良県奈良市東紀寺町2-10-1
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