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学級新聞詳細

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NEWS PAPER DETAIL

学級新聞_36号

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第36号 2024/2/14 発行
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[1] 奈良SDGs学び旅 問合せ報告/実施報告
[2] はばたけ ルリセンチ No. 33
[3] 実行委員長コラム
[4] 『日本の食の聖地巡礼 NARA』プロジェクトが終了しました
[5] お知らせ

 

[1]奈良SDGs学び旅 問合せ報告/実施報告
問合せ報告
実施日 地域 区分 人数
2024/6/6 奈良県 中学校 110
2024/10/29 岐阜県 小学校 24
2024/10/31 秋田県 高校 178
2024/11/21 岐阜県 小学校 53
2024年5月 大阪府 中学校 84
2024年 広島県 小学校 100

 

実施報告
実施日 地域 区分 内容 人数

[2] はばたけ ルリセンチ No. 33

 

[3]実行委員長コラム
前回のコラムでは、MDGsについて触れました。
SDGsではMDGsの更新版だからこそ、目標1の「貧困をなくそう」から始まるのだと思います。そして、目標2は「飢餓をゼロに」、目標3は「すべての人に健康と福祉を」と続きます。途上国の人々との格差を考えると、まだ飢餓は現実のものなのですね。

 

ところで、皆さんなら、17の目標に紐づいた167のターゲットの存在をご存知だと思います。
参照ページ:JAPAN SDGs Action Platform | 外務省 (mofa.go.jp)

 

例えば、飢餓をゼロにするためには、2.aのような内容がターゲットとなっています。
2.a 開発途上国、特に後発開発途上国における農業生産能力向上のために、国際協力の強化などを通じて、農村インフラ、農業研究・普及サービス、技術開発及び植物・家畜のジーン・バンクへの投資の拡大を図る。

 

また、健康と福祉については、ターゲット3.5で
薬物乱用やアルコールの有害な摂取を含む、物質乱用の防止・治療を強化する。が設定されています。

 

一方、私たち先進国で生活する者たちは、日々の生活の中で「持続可能な消費と生産のパターンを確保する」ため、目標12の「つくる責任つかう責任」を重く受け止めているのではないでしょうか。
地域経済を成長させ、持続可能な消費と生活の確立のため、環境に大きな負荷をかけない生活に取り組む、そういうこと意識しながら行動していきたいものです。

 

ターゲット12.bは
雇用創出、地方の文化振興・産品販促につながる持続可能な観光業に対して持続可能な開発がもたらす影響を測定する手法を開発・導入する。
となっています。
そんな中で注目される取り組みがガストロノミーツーリズムです。
このツーリズムは観光客の体験・活動が、食や食材に関連していることを特徴としています。本格的、伝統的又は革新的な料理体験と併せて、ガストロノミーツーリズムは地域の産地訪問、食に関するフェスティバルへの参加体験などを軸としています。その地域で育った食材でお客様をおもてなしする、ある意味で観光の基本と言えるでしょう。

観光先進国のEUの国々ではワイン・ビールなどお酒が注目されています。
しかしSDGsの観点で見るとガストロノミーツーリズムはターゲット3-5のアルコールと健康のバランスを意識しながら、活動しないといけないですね。

ところで、途上国のアフリカ・エチオピアにはお酒を主食とする生活を送る人々が存在します。

参照ページ:酒を主食にする人々~エチオピア・デラシェの村 | 海外コーディネーターのボイス|アフリカや中南米でのロケや撮影、取材をコーディネート (voice.ne.jp)

エチオピア南部のデラシャという村ではトウモロコシを原材料とした3%程度の低アルコールを含むパルショータという飲み物を一日5リットルも摂取します。
それ以外は、たまに夜に乳酸発酵パンを食べるだけ。これが毎日の食生活なのです。

 

お酒は発酵食品なので、カロリーだけでなく必須栄養食品のアミノ酸をいくつか含んでいます。そこに、鉄分や葉酸などを多く含む「モリンガ」という植物を発酵時に加えるので、完全栄養食品のような存在となっているのです。
このデラシャ特別自治区には1500㎢に人口13万人が暮らしています。生駒市よりも人口は多いので少数民族とは言えない規模でしょう。

 

3%とはいえ、5リットルもとると、アルコール量は一日150mlになります。
これは日本人の成人飲酒量の適量と言われる、ビール中瓶1本500mlの10倍も摂取していることになります。
アルコール度数から考えても、5倍以上取っていることになります。
先進国の基準だと、先ほどのターゲット3.5に抵触しているかもしれません。
このパルショータを農閑期には一日の起きている時間の半分くらいをかけて家族や仲間とゆっくり飲むのです。農繁期でも、三分の一は食事の時間に充てるそうです。
なんだか、とってもゆったりとした生活ですよね。

 

しかもパルショータは子供たちも摂取しています。この地区では長く母乳を飲み続け、少しずつアルコール度数を低くしたパルショータを取っていくようになります。10歳くらいになると大人と同様の食生活に移行します。

 

だからと言って、この地区ではアルコール依存症の問題が起きているわけではありません。どうやら子供時代の10年間の教育によりで食生活の文化が培われていくようなのです。子供の成長に悪影響がなく、大人の農民生活の肉体労働に耐えうるパルショータってどんなお酒なんだろうと興味深く論文 (参考文献:砂野 唯「酒を食事とする人々の食嗜好の形成―エチオピア南部を事例として―」,『農耕の技術と文化』31,pp.73-91(2022))を読みました。

 

このデラシャ地区は、私たちより持続可能な消費・生産形態を持っているように感じるのは私だけでしょうか。
古代から続くと言われるこの食文化が、都市的なライフスタイルに乗っ取られないことを祈りつつ、地球の文化の多様性に感動しました。

 

[4]『日本の食の聖地巡礼 NARA』プロジェクトが終了しました
1月21日(日)・1月22日(月)の2つのプログラムをもちまして、今年度の『日本の食の聖地巡礼 NARA』プロジェクトの全プログラムが終了しました。
ご協力いただきました皆様、誠にありがとうございました。
今回実施しました、2つのイベントのレポートをお届けします。

 

2024年1月21日(日) 本格茶会と茶懐石体験

《開催レポ》冬のガストロノミー特別体験プログラム@なら和み館・奈良町情報館(1/21開催) | 日本の食の聖地巡礼・NARA (exploring-nara.jp)

2024年1月22日(月)
日本清酒発祥の地・正暦寺 菩提泉二度仕込みの限定特別公開と住職・蔵元のスペシャルトーク&「書道」体験
〜伝統の精進料理の昼食と菩提酛粕汁、お抹茶&特製デザート付き~

《開催レポ》冬のガストロノミー特別体験プログラム@正暦寺(1/22開催) | 日本の食の聖地巡礼・NARA (exploring-nara.jp)

[5]お知らせ
学び旅学級新聞の感想を募集しています!
実行委員長のコラムや学び旅事務局の活動について、皆様のお声をお聞かせください。
メッセージは、下記メールアドレスにて受け付けております。
皆様のご応募、お待ちしております。
【応募先】manabi-jimukyoku@kirsite.com

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