学級新聞_18号ページ。まるごと世界遺産のまち 奈良で学ぼう 奈良SDGs学び旅

ふんころがし
pagetop
奈良SDGs学び旅って? 新着情報 動画紹介 お問い合わせ SDGsとは? コース紹介 教育旅行/企業研修 イベント申込 ログイン 会員登録 ENGLISH HOME
学級新聞詳細

学級新聞詳細


NEWS PAPER DETAIL

学級新聞_18号

学級新聞_18号


第18号 2023/5/9 発行
________________________________________

◆目次
[1] 奈良SDGs学び旅 問合せ報告/実施報告
[2] はばたけ ルリセンチ No. 17
[3] 実行委員長コラム
[4] お知らせ

 

[1]奈良SDGs学び旅 問合せ報告/実施報告
問合せ報告

実施日 地域 区分 人数
2023/6/1 神奈川県                中学校 183
2023/10/11 新潟県 中学校 78

 

実施報告

実施日 地域 区分 内容 人数
2023/5/8 静岡県 中学校 オンラインSDGs講義 76

 

[2] はばたけ ルリセンチ No. 17

[3]実行委員長コラム
初夏の陽気で、町が華やぐ季節となりました。奈良にいると海が恋しくなりますね。海の生物のサンゴやウミガメなどは、新月や満月のタイミングで一斉に産卵などの繁殖活動を行います。
また、アフリカのヌーをはじめ海から遠く離れたところに住む生き物も、月の影響を受けていると報告されています。

 

これらのことから、月の満ち欠けと生き物の営みには関係があるのでは、と注目を集めています。女性の生理が29日周期なのも、偶然ではなく、人間も宇宙のリズムで生きている証拠なのかもしれません。

 

さて、前回話題にしました『奈良坊目拙解』の著者である村井古道は、『南都年中行事』という奈良の歳時記も本にしていました。
江戸時代の暦は太陰太陽暦です。1ヶ月の長さは月の満ち欠けで定まります。計算すると、1年は12.5ヶ月ということになります。2年で、25ヶ月といったイメージかもしれません。

 

毎月の第1日を「ついたち」と呼びますが、これは『月立ち「つきたち」』がなまったものだといわれています。月が太陽と並ぶため、地球から見ると月が消えてしまうタイミングであり、月明かりが全くない真っ暗な夜ということになります。

 

村井古道は月の始まりを「1日」ではなく「朔(さく)日(じつ)」と記しています。
白川静氏の『字統』によると、朔とは「はじめ、こよみ、きた」という意味で、「先祖の霊や家系の本源、人間の根源が存在している」を表現するものとしています。当時の伝統行事は、宇宙のリズムで成立していることを感じさせますね。
現代のような、機械による一定のリズムで暮らす我々現代人の生活とは違い、江戸時代の人々は天体の運行と共に生活していたのです。1日も太陽が昇ってから沈むまでを12で割り、また太陽が沈んでから再び上るまでを12で割っていました。

ですから、夏と冬では、一刻の時間の長さは異なっていたのです現代とは異なる時間が流れていたのだと気づかされます。

 

英語にコスモロジー(cosmology)という言葉があります。「宇宙観」・「世界観」などと訳されます。村井古道の文章に触れる時には、江戸時代のコスモロジーを理解しつつ読み込んでいく必要があるかもしれません。

 

古道が生きた時代の暦は南都暦といわれ、陰陽師が作っていました。

『奈良坊目拙解』には幸徳井家の話や幸井町の名前の由来、陰陽師の祖・吉備真備の墓である『吉備塚』の話も出てきます。

一方で古道の職業は医師、それも外科医です。とても合理的な考え方、近代的な人だと思わせる文章にも出会います。

例えば、「鳴川町」の由来となった「蛙の声が騒がしく護命僧正の読経を妨げたので、僧正が神咒(しんじゅ)を唱えたところ、たちまち蛙が泣き止んだため鳴かず川となった」という説を、「こじつけ」だと一刀両断しています。

 

機械の時空の現代と、天体の時空の江戸との違いを知ることは、とても大切なことかもしれません。江戸時代のコスモロジーを「知る」ことは、人間も「いきもの」の一つであることを気づかせてくれます。

 

宇宙のリズムで暮らしていた時空を取り戻し、「いきもの」の時間で暮らすこと。
それを通じて初めて日本人は少子化を乗り越えられるのかもしれないですね。

 

[4]お知らせ
学び旅学級新聞の感想を募集しています!
実行委員長のコラムや学び旅事務局の活動について、皆様のお声をお聞かせください。
メッセージは、下記メールアドレスにて受け付けております。
皆様のご応募、お待ちしております。
【応募先】manabi-jimukyoku@kirsite.com

学び旅学級新聞へ掲載する記事募集中!
協議会委員へ告知・共有希望の事柄がありましたら、原稿・写真と共に事務局までお知らせください。無料で記事として掲載し、配信いたします。配信時期についてもお問合せください。
【連絡先】manabi-jimukyoku@kirsite.com

配信:奈良新しい学び旅推進協議会・事務局(公益社団法人ソーシャル・サイエンス・ラボ内)
TEL:0742-20-7807 平日9:00~18:00(年末年始を除く)
住所:〒630-8305 奈良県奈良市東紀寺町2-10-1
Web:https://nara-manabitabi.com/