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学級新聞詳細

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NEWS PAPER DETAIL

学級新聞_09号

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第9号 2022/12/6 発行
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[1] 奈良SDGs学び旅 問合せ報告/実施報告
[2] はばたけ ルリセンチ No. 09
[3] 実行委員長コラム
[4] 事務局の活動
[5] お知らせ

[1]奈良SDGs学び旅 問合せ報告/実施報告
問合せ報告

実施日 地域 区分 人数
2023/4/12 福島県 中学校 50名

実施報告
実施日 地域 区分 内容 人数
2022/12/5 新潟県 高校 SDGs講義 90名
2022/12/6 新潟県 高校 フィールドワーク 90名

 

[2] はばたけ ルリセンチ No. 09

 

[3]実行委員長コラム
【歴史を定量的に見る】

前回、勤労感謝の日の起源についてお話ししました。
その年の豊作に感謝するお祭り、宮中儀式のひとつ、「新嘗祭」に由来しています。
『日本書紀』・『古事記』では、神様から与えられたお米は聖なる植物として記されています。農耕社会が始まった時代の人々にとって、稲作がどれほど大切だったか、よくわかる逸話です。

 

今回のテーマは「定量的に歴史を見る」です。
ふだん私たちが教科書などで触れる日本の歴史は、こんな人物がこんなことを行ったといった、定性的なものが大半を占めています。数量でそれぞれの時代を比較したり、数で変化を示したりしません。

 

しかし、現代では、歴史を事象の羅列ではなく、数字で見て定量的にとらえる傾向が生まれています。

例えば人口の歴史です。狩猟採集社会といわれる縄文時代と、農耕が始まった弥生時代。
またそれ以降の古墳時代など、それぞれの時代の人口がどれくらいだったかを推定することに取り組む歴史です。

 

それ以外に、世界銀行やIMFが近代以降を中心にグローバル社会での各国の経済成長の比較に取り組むようになりました。

中でも、アンガス・マディソンさんは『世界経済の成長史1820‐1992年―199カ国を対象とする分析と推計』(東洋経済新報社, 2000年発行)という本で、世界199カ国を対象に1820年以来の国別・地域別・世界全体の人口、実質GDP、1人当りGDPを推計して年別に示し、経済成長要因分析をした画期的な研究を行いました。
これにより、途上国における先進国との格差問題や経済成長が、客観的に数字で確認されるようになったわけです。
その後、2015年に『世界経済史概観』として紀元元年~2030年の間の、世界各国の経済比較を行っています。(※『世界経済史概観 紀元1年~2030年』, 岩波書店, 2015)
歴史学を分析するにも、データサイエンス、すなわち計量が役立つようになったのです。

 

日本にも、長期で見た日本の人口を研究している、歴史人口学者の鬼頭宏さんという方がいらっしゃいます。
最初の書籍『人口から読む日本の歴史』が1983年に出版され、以降これまでの歴史的事実が更新されていくこととなりました。
技術の進歩により、弥生時代~古墳時代の遺跡の変化をきめ細かく観察し、そのころの集落の人口規模の推計が可能になったためです。

 

弥生時代と古墳時代の集落には、住居がつくられる場所が異なる、という違いがあります。
農業の技法が発達し、山間から平地での住居づくりが可能になったからでしょう。
古墳時代には、家屋も次世代に引き継がれるようになります。
つまり、資産が形成され、相続が始まることを意味します。
こういう研究に基づいて、地域ごとの人口が正確に推計されるようになるわけです。

 

さて、鬼頭さんの最新の研究で、縄文時代に気温が寒冷に向かい食糧事情が悪くなったことで、
26万人から8万人くらいにまで人口が落ち込んだことがわかりました。

 

【参照】
・鬼頭宏.『食文化の変遷と栄養』巻頭インタビュー「歴史人口学」からみる食と人口の関係.2017
・公益社団法人米穀安定供給確保支援機構.米穀機構米ネット.2-2米の生産量が増えて日本の人口も増えた.
2-2 米の生産量が増えて日本の人口も増えた | 米穀安定供給確保支援機構:米ネット (komenet.jp).2022年12月5日

そのような中、弥生時代に稲作の技法、原始的な農業が始まり、おおよそ60万人まで人口が増えたと推定されます。
つまり、縄文時代晩期から弥生時代にかけて人口は7.5倍に伸びたわけです。

ところで、『魏志倭人伝』など中国の書物を通じて、倭国(日本)の卑弥呼の存在が西暦で特定されています。死亡時期はおおよそ248年ごろ。
21世紀になってからは、考古学では卑弥呼の墓は箸墓古墳であり、日本書紀の崇神天皇の記録にある倭迹迹日百襲姫命姫(やまとととひももそひめのみこと)とも同一人物だろう、と考えられています。
これは、欠史八代の次の崇神天皇と卑弥呼の時代が重なり、古墳時代の幕開けの年号が認定され始めたのです。

こういった年代測定や緻密な文献と考古学の研究があって、さまざまなことが整理されるようになりました。

次回は、弥生時代よりもさらに古墳時代に人口が伸びた要因について、考察してみたいと思います。

 

[4]事務局の活動
第13回 地域再生大賞の発表が近づいてきました
奈良SDGs学び旅は、奈良新聞社の推薦によりノミネートされました。
大賞の発表は、2023年1月28日の予定です。
楽しみにお待ちください。

 

第4回 奈良SDGs学び旅ガイド育成プログラムを実施しました!
今回は、スケジュールの都合上、2回に分けて実施しました。
前回の改善点をしっかり見直し、カンペを見ずに話をしたり、参加者の興味を引く問いかけなど、スキルも非常にアップし精神的にも余裕が生まれています。その成長スピードは、目を見張るものがあります。
また、今回の研修にお客様役として協力してくださった学生さん1名が、研修へ新たに参加することとなりました。
残り少ない研修をものにするべく、急ピッチで学習を進めていきます!
実施日:11/30(火) 研修者1名
12/4(日)  研修者2名

 

 

[5]お知らせ

学び旅学級新聞の感想を募集しています!
実行委員長のコラムや学び旅事務局の活動について、皆様のお声をお聞かせください。
メッセージは、下記メールアドレスにて受け付けております。
皆様のご応募、お待ちしております。
【応募先】manabi-jimukyoku@kirsite.com

学び旅学級新聞へ掲載する記事募集中!
協議会委員へ告知・共有希望の事柄がありましたら、原稿・写真と共に事務局までお知らせください。
無料で記事として掲載し、配信いたします。
配信時期についてもお問合せください。
【連絡先】manabi-jimukyoku@kirsite.com

配信:奈良新しい学び旅推進協議会・事務局(公益社団法人ソーシャル・サイエンス・ラボ内)
TEL:0742-20-7807 平日9:00~18:00(年末年始を除く)
住所:〒630-8305 奈良県奈良市東紀寺町2-10-1
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